神様のいたずら

彼は不思議そうな顔をして

「え?メッセージ?きてないけどなぁ」と携帯を確認する。

 

目の前で読まれたら恥ずかしすぎると焦る私

 

でも本当に届いていなかったようだった。

 

「どうしたの?大丈夫?」と彼

焦る自分をなんとか抑え「あっ大丈夫です。」と答えた。

帰り道。なんとも言えない複雑な気持ちで歩いていた。

でも 無視 されている訳じゃなかった。

なんの興味もなくて迷惑だから無視されているのかも??!!という不安もあったので、それだけは救いだった。

 

『縁』が無かったという事なのかな?

そういえば数ヵ月前。彼の指に指輪がない事

に気づいたあの頃。

次にあったとき指輪をしていなければ、思いきって私の連絡先を渡してみよう。と連絡先片手に彼に会い、薬指に光る指輪を見て…

どうして今日に限って指輪をしているの…?と思った日があった。

彼はそれ以降ずっと指輪をしていた。

でも指輪をしていなかったら…と決心したあとから指輪をずっとつけているのなんて『縁』が無いのかなぁ。

その時も今日も。

神様が今はその時じゃない。

って言ってるのかなぁ…って。

諦めるべきという事なのか。って心が揺らいだ。

 

今はまだ伝えるべきじゃないんだ。

 

家に帰り、夕飯の支度をする間もずっと考えていた。その日は主人の帰りも遅くて…

考える時間は沢山あった。

 

彼と出会った頃から今までの事をずっと思い出し考えた。

せっかく勇気を出して行動したのに…。

ひとつの答えを出したい。と勇気を出した。

私は昔から恋をすると相手の気持ちを確かめたくて急ぎすぎてしまう…。

ももう1週間も前に自分の気持ちを伝えたつもりだった…。

伝わっていなかったという事実と伝えたつもりでいた自分をうまく整理する事ができなかった。

 

 

やっぱり伝えるなら今この流れにのって伝えてしまいたい。

 

 

SNSから改めてメッセージを送った。

 

 

今日メッセージが届かなかったことを知ってそのままのほうが良いのか悩んだけれど…

せっかく伝えたいと行動した事だったので…

勝手ながら改めて伝えさせてください。と…。

自分のLINEのIDと共にメッセージを送信した。

 

送信した後、深いため息と共に膝から崩れ落ちた。

今度はきっと彼に届くだろう。もう今この瞬間から告白をする前の二人には戻れない。

引き返せない。

 

彼はどんな気持ちでメッセージを読むのだろうか?

 

少しすると主人が帰宅し、なにもなかったかのように、夕飯作りの続きをした。